想定読者
就活生~入社3年目
得られるスキル・知見
議事録・メール・報告書作成等のベースとなる日本語作文についてのセオリーを学び、誰にとっても読みやすい文章が書ける
この本のポイントは
- 修飾関係を直結させる(入れ子を外す)だけで文章は見やすくなる。
- 修飾語には順序セオリーがある。長い修飾語・大きな状況・重要内容を先に置く。
- 句読点は読者への注意喚起。長い修飾語の後、セオリーとは逆順になる際に打つ。
図解
解説&感想
本田勝一さんは、朝日新聞社の記者です。職業で培った非言語化されたスキルを誰にでもわかりやすいように、体系化・理論化してしまう、いわゆる”コンセプチュアルモンスター”はどの業界にもいて本田さんもその一人です。(戦略コンサルティング業界では大前研一さんが該当します。)
内容は、単純明快であるにも拘わらず、これを実践すると非常に文章が見やすくなります。
理論は一般的に、複雑であることと効果的であることは一定程度トレードオフがあるのですが、
時代を超えて残る優れた理論は、シンプルでいてかつ効果が抜群なものです。
理論もそうですが、文章に対する姿勢も「ハッ」とさせられます。
”この本で重要視していることは、読む側にとってわかりやすい文章を書くこと。
”話すように書くことも、見たとおりに書くことも、おかしい。
”日本語をハッキリ客体として意識しなければならない。文章を書くというのは、日本語を外国語として取り扱わなければならない(清水幾太郎氏の引用)。
まさにプレゼンテーションの鉄則でよく言われる、「思考の順番と伝える順番は別」と同義です。
自分の考えた検討の道順をそのまましゃべってしまう人をよく見かけますが、これは罠なんですねえ。
相手の気持ち・理解度に応じて伝える順番を工夫する。
それだけでアウトプットの価値が格段に向上する可能性があるのです。
さて、私がこの本と出会ったのは、入社一年目の時の最初の上司からの推薦です。
議事録作成を始めてレビューしてもらった際、あまりに赤ペンが入りすぎて、「もはや白い箇所の方が少ないんじゃないか、、、」ってぐらい血の海になって添削されて帰ってきたのを覚えています。
その時に、上司から薦められた本がこれでした。
内容はがシンプルな上、もちろん日本語は母語。すぐ読めました。
しっかりした技術を学ぶと、自然と指摘されることも減ります。
加えて、クライアントや上司が間違えたりすると少しアドバンテージを取った気になれる、そんな「セオリー」による心の余裕を初めて感じた、私にとっては思い出深い書なのです。。。
ここから派生して、自分の中では日本語作文にいくつかルールを課していますので少し紹介させてください。(本田勝一さんではないですが、、、)
- 「、、、が」使うときには注意する。接続関係が逆説なのか、単なる話題の紹介なのか気を払う。
- 「、、、について」は使わない。具体的に話題のテーマは何なのか思考停止に陥っている証拠。
- 「また、」は使わない。関係ない話題の挿入や論理が飛躍している証拠。
巷に溢れる、自己啓発本やハウツー本を読む時間があったら、是非本書の様な汎用的かつ古典となるセオリーを学んで下さい。
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