【図解】インプット大全

想定読者

就活生~入社3年目

得られるスキル・知見

質のいいインプットの獲得方法を知ることができる
記憶の定着方法を知ることができる

この本のポイントは

    1. すべてのインプットはアウトプットを前提とすべきである(AZ)
    2. 情報入手の”In”だけでなく、記憶定着の”Put”も意識する
    3. 情報のタイプ分けをして重要な情報だけ工夫して入手・記憶する

図解

解説&感想

著者の樺沢紫苑さんは、本業が精神科医の方です。大学病院、総合病院、単科精神病院など北海道内の8病院に勤務の後、 2004年から米国シカゴのイリノイ大学に3年間留学。うつ病、自殺についての研究に従事し、 帰国後、東京にて樺沢心理学研究所を設立し、日々研究にまい進されてます。
一方で仕事術や時間の使い方に関する書籍や発信も多くされており、最近ではYoutuberとしても活動されているため、ご存じの方もいるかもしれません。

さて、久しぶりの仕事術の本の紹介です。
定期的に仕事術・段取り術系の本は読んでおり、本書はタッチはポップなのですが、良書でしたのでご紹介させていただきます。
是非とも社会人基礎が固まる5年目くらいまでに読んでほしい書籍です。

すべてのインプットはアウトプットを前提とすべきである

著者曰く、一般人のインプットの97%は無駄だそうです。
ある実験で、175人の方に、「ここ一週間、インターネットで見た情報」を可能な限り思い出してもらいました。その結果、思い出せた数はなんと平均で3.9個だったそうです。1日20個、一週間で140個の情報に接していると考えれば、定着しているのはわずか3%というロジックです。
スマホやPCでの”ながら読み”のインプットは多くが何の成果も生み出さない時間の浪費。その質を高めるためにはアウトプットすることを前提にしてインプットすることがコツである。と著者は喝破します。
数はどうでもいいとして、思い当たる節は皆さんあるのではないでしょうか?
私はありました。なので、この本を読んでしまったということです。

使える情報にするために、血肉にする努力をしているか

私の読書術でも紹介しましたが、あくまで本で得たスキルは文字情報でしかありません。これを実際にビジネスで活用することを考えると、”腹落ち”させ、”反復”をしなくてはなりません。
本の知識を仕事につなげたかったら読みっぱなしはNG この”腹落ち”にはある程度、発酵の工程、すなわち自分の得た知識や経験との紐づけによる昇華が必要です。(本書ではそれをWisdom≒知恵と表現してます。)
でもそれをするためには、とにかく記憶を定着させなきゃダメです。
それを意識的にするためにはインプットを工夫し、寝る前に復習しろと。
極めて正論ですし、これを意識しているかどうかで3年後に大きな差がついていることと思います。
今すぐ皆さん実践すべきでしょう。

記憶のコツは情報を孤立させないこと

本書がうれしいのが、記憶のコツについて言及している点です。
科学的なエビデンスも随所にちりばめながら展開されているため納得性が高いです。
情報を孤立させないとはどういうことか。つまりは、感情や感覚と関連付けて記憶するということです。
何かで表彰されたり褒められた記憶って結構昔のものでも覚えてません?反対になぜかホラー映画って記憶に残ってません?これらはその時に出される脳内物質と紐づいているから記憶しているそうです。プレジャーでもプレッシャーでも記憶にとってはどちらもOKなところが面白いですね。
それから、見るだけじゃなく音読したり、書いたりして五感を刺激するのも有効だそう。
加えて、単純に読むだけでなく同時に何かを体験するといった非言語情報との関連付けも大事。
最後にアウトプット。つまり出力の脳作用との関連付けも情報の記憶に重要だそうです。
脳の記憶はデータベース構造なのではなく、因果律や関連性で記憶されることが最近の研究で分かってきてます。その研究結果から照らしても、こういった記憶の構造をうまく利用する記憶方法はとても重要です。

人生は長くない。正しい理解のもとに、ゴールから逆算しよう

ちょっと屁理屈の香りもしますが、本書からはこんなメッセージも抽出できそうです。
あくまで我々ビジネスパーソンが評価されるのはアウトプット、でありアウトカムです。だとするとそこから逆算してインプットもすべきだし、その方法も合理的になすべきです。
とはいえ、常にこれを意識するのは難しいですし、人間である以上そうすべきでもありません(友達いなくなります)。
だからこそ、こういった本を定期的に読んで日々の生活や業務を見直すきっかけにしてみてください。

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