【図解】「1秒!」で財務諸表を読む方法

想定読者

就活生~入社3年目

得られるスキル・知見

経理や財務に携わらない多くのビジネスマンが学ぶべき財務諸表の注目点を理解できる
財務諸表の注目点における一般的な水準を知ることができる
事例を学ぶことで、今後実践的に財務諸表を読む上での観点を知ることができる

この本のポイントは

  1. 財務諸表で注目すべき順序は安全性⇒収益性⇒成長性(将来の収益性)である。
  2. 業種によって異なるものの、それぞれの指標には守るべき一般水準がある。
  3. 手元流動性は1~1.7、当座比率は90%、流動比率は120%、自己資本率は10~20%、ROAは5%、ROEは10%、営業CFはプラス、投資CFと財務CFはマイナス、営業CFプラス分>投資CF、財務CFマイナス分。

図解

解説&感想

小宮 一慶さんは、京大卒、東京銀行(三菱東京UFJ銀行の前身)、ダートマス大学でMBAを取得後、岡本アソシエイツに移籍し、その後独立して、現在は小宮コンサルタンツの代表取締役を務められている方です。

内容は、財務諸表についての基本概念、実践的な読み方、事例を1冊にコンパクトにまとめています。これ1冊で一旦財務諸表を読む上での基礎は掴めるでしょう。
特に、同氏の言う、”多くのビジネスマンにとって財務諸表は作れる必要は無く、簿記の知識は不要。読むための勘所となる数値を知っておくだけでよい”との主張は現場にいる自分にとっても非常に納得感があり、その勘所をわかりやすく解説する本書は大変有用な一冊です。
本書のタイトルが「釣りか?」と思わせるほど、軽薄なハウツー感が出てますが、内容はどれも重要なことばかりで一見に値します。
尚、本書は実践編をシリーズ化しており、本書を読んだのちにさらに進みたい人はそちらを併せて読んでみてもいいでしょう。
(但し、内容の重複が多いので前半部分は読み飛ばしてOKです)

財務諸表はビジネスマンの基礎スキルです。
私は、かねてから現代ビジネスマンの「読み・書き・そろばん」は「英語・会計・統計」ではないかと思っており、
本書は若手社員だけでなく、会計知識が危ういビジネスマン全員が必読と考えています。銀行員でなくとも、営業マンであれば取引先の状況把握、企画マンであれば自社や新規事業の財務計画策定で、必ず財務スキルは必要になります。
本書レベルの最低限のスキルは持っておくべきでしょう。

本書の良いところは、無味感想な財務諸表の内、見るべきポイントを大胆に絞ってくれいてる点です。財務諸表は慣れないと見にくいです。人間の脳は因果関係の認識に特化して発達しているため、こうも数字を羅列されると何が重要で、どんな状況なのか認識しづらいのです。
もちろん、IRを見ると財務ハイライトが乗っているため、幾分見やすくなりますが、結局原典をあたることも多く、財務3表を見ると辟易する経験は皆さんあるのではないでしょうか?

私がこの本と出会ったのは、プロジェクトアサイン前のトレーニングでの講師からの紹介です。
トレーニングでは、エクセルの使い方から新規事業立案のやり方まで幅広く扱うのですが、その一コマで財務諸表を読むトレーニングがありました。
はっきり言って全く歯が立ちませんでした。それもそのはず、これは普段の生活の延長線上に無い業務です。ノリでは全然対応できません。焦ってすぐ本書を買いました。
実際のケースワークでは、M&Aのデューデリのようながっつり財務系のジョブにはアサインされていない為、バリバリ本書の知識を使うことはないのですが、新規事業立案+運営のジョブにはアサインされており、事業計画策定の際にクライアントと財務・会計系の会話をよくします。
やっぱりこの領域って、「知ってて当然だよね」というノリで皆さん話されます。「自己資本比率って何ですか?」、「これって低いんですか?」なんて口が裂けても言えません。
恐らくどの職種もそうでしょう。年が上がるにつれて辛くなってきます。
論理的思考とともに、「ナイフとフォーク」レベルです。
自信が無い人は早いうちに、すぐに勉強しましょう。

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